練習施設

2005年9月31日、サッカークラブが所有するスポーツ施設としては最大級の練習場シウダード・レアル・マドリードが正式にオープンした。デザインを担当したのは建築家のカルロス・ラメラ。オープニングセレモニーはエミリオ・ブトラゲーニョが取り仕切った。
 
この複合施設は非常に特別な場所にあり、マドリード市内で今後最も発展が期待されているエリアの一つ、バルデベバス公園内に位置している。この公園では、マドリード州史上最大規模の都市開発プロジェクトが進行しており、将来、マドリード市民の憩いの場となるであろう緑地が広がっている。敷地面積は約1067万平方メートルにも及び、シウダード・レアル・マドリードの完成から数カ月後にオープンしたマドリード・バラハス空港の第5ターミナルにほど近い場所にある。
 
シウダー・レアル・マドリードの広さは120万平方メートル。これはクラブの旧練習場シウダー・デポルティボの10倍、サンティアゴ・ベルナベウの40倍、モスクワの赤の広場の16倍、バチカン市国の2.7倍、そして北京の紫禁城の1.6倍に当たる。
 
面積約9000平方メートルのT字型の建物には、ドレッシングルーム、ジム、教室、会議室、オフィス、ハイドロセラピー用のプール、さらにはメディカルセンターや記者会見場などがある。そして芝および人工芝のピッチが10面あり、スタンドには1万1000人以上を収容可能。このスポーツ複合施設の完成により、レアル・マドリードは他にはない世界最先端の練習場を所有することになった。
 
玄関口
シウダード・レアル・マドリードに来た人が最初に到着するのが、収容台数300台以上の駐車場。そこから建物内に入ると、まずエントランスホールがあり、カフェ・レストラン「La Cantera」に行けるようになっている。500平方メートルの室内と201平方メートルの屋外テラスからなるこのカフェの巨大な窓から、ファンたちは近くのピッチで行われている練習風景を見ることができる。
 
“ホワイトハウス”
カンテラ専用エリアはクラブ関係者以外立ち入り禁止。アウェーチームや審判団はそれぞれのドレッシングルームに入れるが、それ以外のエリアに入ることできない。練習エリアにはファンも入れるが、建物の外から行かなければならない。ドレッシングルームの向かいにはカンテラ用のピッチが7面あり、そのすべてにスタンドが設置されているほか、オランダから運んでくるサンティアゴ・ベルナベウと同じ天然芝が敷かれている。
 
練習用ピッチ
トップチームの選手たちには専用の駐車場があり、そこからこの有名なT字の建物に入ると選手エリアがある。トップチームの監督やコーチたちのオフィスに加え、選手が練習するのに必要なものはすべてここに揃っている。
 
ここから選手たちは世界屈指のメディカルセンターに行ける。1階には広いフィジオセラピールームと素晴らしいハイドロセラピー(水治療法)エリアがあり、4つのプールと2つの小さな風呂(温水と冷水)、さらにサウナとトルコ式風呂が完備されている。最上階には選手専用のVIPルームと2000平方メートルもの広さのメディアスペースがある。

トップチームのドレッシングルームは、カンテラから上がってきた選手にとっては夢のような場所だ。施設内で最大の建物となる豪華なジムに直結しているほか、練習用ピッチにもつながっており、そこには天然芝のウォームアップエリア、そしてベルナベウで使用しているのと同じ芝が敷き詰められ、スタンド(6000席と5000人収容可能の立見スペース)に囲まれた練習用ピッチが4面ある。

クラブオフィスビル
2018年4月以降、この建物がクラブ職員を迎え入れている。建築面および機能面で最高のクオリティを備え前衛的な構造になっている。5階建ての14,000m2の建築面積により、クラブ職員の労働条件が改善されている。さらにソシオサービスオフィスも備える。この建物はクラブ管理を近代化し改善するプロセスの一部になっており、シンプルさ、透明性、持続可能性、現代性といったレアル・マドリードの基本的な価値観が考慮されている。このオフィスビルには、フエルサス・アルマダス通りとシウダー・レアル・マドリード内部からの2通りでアクセスできる。