クロースがドイツ連邦共和国功労勲章騎士十字章を受章

トニ・クロースへのドイツ連邦共和国功労勲章騎士十字章授与式でのフロレンティーノ・ペレス会長のスピーチ全文

トニ・クロースがベルナベウのロイヤルボックスで行われた式典でドイツ連邦共和国功労勲章騎士十字章を受章した。ドイツ連邦共和国のフランク＝ヴァルター・シュタインマイヤー大統領がスタジアムでレアル・マドリードと世界サッカー界のレジェンドに勲章を授与した。式典にはレアル・マドリードのホセ・マルティネス・ピリ名誉会長、クラブ渉外部門のエミリオ・ブトラゲーニョディレクター、シャビ・アロンソ監督、バルベルデ、リュディガー、デブリッツ、フロムスら現役選手たち、さらにロベルト・カルロス、アルベロア、ソラーリといったレジェンド選手たちが参加した。

フロレンティーノ・ペレス会長がまず挨拶をした。「我々の家でドイツ連邦共和国の大統領と、我々全員が大いに愛しているこの偉大な国の代表団を迎えるのは大きな名誉です。親愛なる大統領、我々のクラブの偉大なレジェンドの1人、愛するトニ・クロースを讃える場所としてベルナベウを選んでいただいたことに感謝の意志を示します」。

「我々にとって彼はレアル・マドリードが世界に体現する価値観の模範です。彼は10シーズンにわたり、その勤勉さ、犠牲的な精神、忍耐力、謙虚さ、敬意、そして結束の模範を示して来ました。同時に彼は非常に重要な貢献も果たしました。それは、ドイツとスペインという二国間の絆を強めることに尽力したということです」。

スポーツ界の偉大なる紳士
「我々全員が、この勲章が意味するものに深く感激しています。本日彼が祖国大統領から授与されるこの勲章は、スポーツ界の偉大な紳士にドイツ連邦共和国功労勲章騎士十字章として授与されます。彼のサッカーに対する深い洞察力に共感した我々は、史上最高の選手の一人を目の当たりにできたことを光栄に思います」。

「トニ・クロースはウェンブリーのような伝説のスタジアムでレアル・マドリードと共に欧州チャンピオンになり、前回の欧州選手権ではドイツ代表として出場するという、キャリアの絶頂期に現役を退きました」。

誇りと賞賛
「親愛なるトニ、我々はあなたのことをとても誇りに思っています。そしてあなたが幸せに過ごしたこのスタジアムで、あなたの祖国からこのような栄誉を受けることができて、本当に光栄です。あなたはここで忘れられないサッカーを我々に披露してくれました。あなたのプレーを見た我々全員の心を掴みました。レアル・マドリードの会長として、我々の歴史の中で最も成功に満ちた時期の一つにあなたを迎えられたことは、私にとって大きな栄誉であったことを知っていて欲しいと思います」。

「本日あなたは祖国から認められ、我々の愛情と称賛を永遠に心に刻むことになります。あなたがレアル・マドリードに捧げてくれたすべてに感謝します。そして10年前に奥様のジェシカさんと共に設立された財団における慈善活動にも感謝します。我々は皆、この財団が重病の子どもたちのために尽力してくれていることに感謝しています。親愛なるトニ、この重要な賞の受賞を祝福します。レアル・マドリードは今も、そしてこれからも、あなたの家であり続けます」。

フランク＝ヴァルター・シュタインマイヤー大統領：「我々はベルナベウを自分の家と感じている伝説の選手を顕彰する」
「サッカー界の偉大な選手の一人に敬意を表するにふさわしい場所、そして多くの対戦相手に恐怖を植え付けたこのスタジアム。このスタジアムはサッカーが国境を越えて人々を一つに結びつける聖地。伝説の選手であり、ベルナベウを自分の家のように感じる人物を称える場所になる」。

伝説
「クロースは生ける伝説で、そのスポーツ的な偉業を考慮すべき存在。彼は10年間に渡り栄光の時代を作り上げ、レアル・マドリードのために数多くのタイトルを獲得した。我々は歴代のドイツスポーツ選手の中で最も重要な1人を顕彰する。彼はスポーツで成し得たことから伝説の1人なのではなく、ピッチ内で分別のある態度から彼が模範的な存在になったことを示している。ミッドフィールダーとして彼はチームの心臓だったし、ドイツとスペインの交流のゲームを構築する人物の1人」。

「彼の財団はガンに苦しむ子供たちが、他の期間が十分に世話をしていない、または全く資金援助していない治療法や治療を受けられるようサポートしている。彼がピッチ上でチームに対して責任を担ったのと同じように、現在彼はドイツとスペイン間で社会と友情に対して責任を担っている。ドイツ連邦共和国功労勲章騎士十字章を授与できることを嬉しく思う」。

クロース：「この章を受け取るのは特別なもの」
「これまで誰がこの賞を受賞したのか調べてみたが、特にこの場所で受章できるのは本当に特別なこと。スポーツでの功績だけが受賞の理由ではないが、もし受章式にふさわしい場所があるとすればそれはこのスタジアム。ここは最近10年間、私のホームスタジアムだった。サッカー選手として最高の瞬間を味わってきたこのスタジアムに来られるのは特別な気持ち」。

「価値観を伝えることは責任であり、私は長年そうしてきた。私の財団は設立から10年が経ち、これからも存続して行く。今回受章は主に私の財団の活動のおかげであり、他のサッカー選手たちにも、社会への貢献を高めることは常に可能だとアドバイスしている」。

社会との連携
「我々にはできる限り恵まれない人々を支援するチャンスがある。この章は支援先の家族と情熱を持って直接連絡を取り合っているチームと分かち合う。サッカーで学んだのと同様に、成功はチーム全体の力にかかっている。妻はこれらの家族のために深く尽力している。チームを代表してこの章を受け取り、受章者の一人となれたことを大変嬉しく思う。この賞は我々の活動を続ける原動力になる」。