カスティージャのホームグラウンドとして使用されているこのスタジアムは、2006年5月9日夜、レアル・マドリード対スタッド・ランスの一戦で正式にオープンした。サッカー史上最高の選手の一人、アルフレド・ディ・ステファノの名前を冠した競技場のエントランスには、“ブロンドの矢”と呼ばれたディ・ステファノの銅像が設置されている。
ペドロ・モンテスが設計し、高さ2m以上、重量400kgを超えるこの銅像は、2007年2月17日に一般公開。レアル・マドリードのファンの記憶にいつまでも残り続ける、欧州チャンピオンズカップ決勝のバシャシュ戦で決めた伝説のゴールを喜ぶディ・ステファノの雄姿が再現されている。
このモダンなスタジアムには、ユニークで特別な9つの特徴が備わっている:
- 特別な場所に完成したスタジアム
アルフレド・ディ・ステファノ・スタジアムは、総面積120ヘクタールに及ぶ複合施設シウダー・レアル・マドリードの中心に位置している。
- 拡張するスタジアム
このスタジアムはクラブのニーズに応じて拡張可能な設計になっている。現在の収容人数は西スタンドの4000席、東側スタンドの2000席を合わせて6000人。そのキャパシティーは第4工期終了時に最大25000人収容となる。
- 試合と練習で使用されるスタジアム
レアル・マドリード・カスティージャの公式戦だけでなく、トップチームとリザーブチームの練習でも使用されている。サンティアゴ・ベルナベウと同様、芝生の下にピッチの凍結を防ぐヒーターが設置された数少ないスタジアムだ。
- 快適に取材できるスタジアム
テレビエリア(2カ所)と放送ブース(テレビ用4室、ラジオ用10室)が完備され、新聞記者用に28席、解説者用に32席を用意。オフサイドポジションを撮影するカメラや、メインおよび接写カメラ用のギャラリーもある。各報道関係者が使用できるメディアセンターは、プレスルームやカメラマンルーム、ミックスゾーン、テレビスタジオと同じピッチレベルに位置している。
- 最新技術が駆使されたスタジアム
アルフレド・ディ・ステファノ・スタジアムには独自のFCU(ファシリティー・コントロール・ユニット)とOCU(オーガニゼーション・コントロール・ユニット)が採用され、スムーズな試合運営を可能にしている。
- 環境にやさしいスタジアム
シウダード・レアル・マドリードと同じく、このスタジアムもエコロジーに十分な配慮がなされている。トイレなどで使用されるお湯は、各施設の屋根に設置されたソーラーパネルで加熱。ピッチにまかれる水も下水処理水を再利用しており、エアコンの冷風は貯氷室から送られている。
- ファンへの配慮が行き届いたスタジアム
スタジアムを訪れるファンには駐車場が完備され、バスは10台以上のスペースを確保。ファンは管理区域を通って入場し、スタンドもホーム側とアウェー側に分かれている。また、チケット総数の5%(現在は300枚)はアウェーチームのファン向けに確保され、この割合も試合に応じて増加。アウェーチームのファンには専用のトイレと飲食スペースが用意されている。
- 安全なスタジアム
スタジアムからの緊急退避を余儀なくされた場合でも、スペースが広く安全が確保されている。また、身体の不自由な方のニーズを考慮した設計になっており、障害者席も用意されている。
- 多目的なスタジアム
主にカスティージャのホームグラウンドとして使用されているが、将来的には商業利用も可能な設計となっている。ステージ設営用のトラックが入れるため、大規模な催物やコンサートなど様々なイベントの会場としても使用可能。こうしたイベントを開催するため、今後は敷地内に専用のドレッシングルームも建設される。